COMPETITION:Rhythmic House





風光明媚で温暖な気候の港町の新興住宅地に計画する住宅。
今後隣地に住宅が建つような新興住宅地では、隣接する建物の輪郭が見えず、計画するうえでの与条件が不明確である。そこで建物を道路側に寄せて配置し、敷地の「半分を建築、半分を庭」とすることで、隣地との関係性をやわらかく調停しつつ、与条件を周囲に与えるような建築の建ち方を目指した。
このような外部空間のあり方は、まち全体に”リズム”や”奥行き感”を与え、個人邸の庭でありながら、まち並みを形成するセミパブリックな要素となることで、生活を豊かにするとともに、様々な暮らし方を受け止める器となる。
内部空間はスキップフロア構成とした。庭やまち並みに対して、俯瞰する視点場を様々なレベルに計画することで、四季や生活、まち並みの些細な変化に気づき、そのまちで”暮らす”ことの豊かさや愛着を感じられるような居場所ができる。
各機能へのアクセス性を高めながら、空間の無駄を生まないよう、用途に応じた天井高の設定を行い、空間にメリハリを持たせながらも全体が緩やかにつなげた。動線の合理化と空間の連続性を両立させ、機能的かつ快適な居住環境を実現する。
酒井 健太郎 /SAKe. +廣瀬雄一郎